時間と為替市場~1日でのキーポイント・昼

 各国の時差があることから、取引における時間帯の取引差が発生することは、既に説明してきました(外国為替市場の性質とトレンド(7):時間と為替市場~時間帯による取引差)。ここでは、東京(日本)における1日の流れを追いかけ、その中でキーポイントとなる時間を紹介していきます。取引量が多い、少ないということだけでなく、やはり取引において注目すべき時間などが存在するのです。
 この記事の中の時間は、日本時間で昼間とされる時間を解説しています。

●午前9時55分

 この時間は、東京の銀行の「仲値」が発表されます。仲値とは、銀行の窓口で両替を行う際に、その日の基準となるレートです。海外旅行先で現金が必要になる個人だけでなく、外貨預金・外貨建債券・小口貿易の決済などに利用されます。
 額が大きい企業の決済に関しては、

・輸出業者:常態的に為替が発生するため、仲値ではなくその時のレートを使うことが一般的。
・その他の企業:物品の購入などで一時的に決済の必要が生じる際は仲値で決済を行うことが多い。

 ということになり、ドル買い円売り方向が多くなります。また、個人の海外旅行や外貨預金などの両替需要もドル買い方向の人が多く、基本的に仲値はドル買い円売りです。

●午後3時

 この時間は、オプション取引の「東京カット」と呼ばれる行使期限の時間です。午後3時で、その日の東京市場における行使期限のオプションが消滅するため、それまでの動きが一変することがあるのです。
 オプションには特定の条件があり様々です。例えば、期限までに120円を付けなければ利益がもらえ、逆に付くとその権利がなくなるというオプションがあります。今のレートが119円台だとすると、このオプションを持っている参加者は、何とか付けないように119円90~99銭の水準でドル売り注文を入れてきます。しかし、そうした動きは午後3時を過ぎてオプション自体がなくなると、もう出ないのです。よって、これまでの売り注文が一気になくなるだけでなく、それまでに売った分の買い戻しまで出て一気に上昇することもあります。