FXの取引~公的部門の取引
FXの市場動向を予測するには、為替市場に関わる取引を知ることが重要です。ここでは、その取引参加者のひとつ「公的部門の取引」について解説していきます(FXの取引・その4)。
これまで紹介している経常・資本・投機といった取引は、基本的に企業や個人といった民間の外国為替取引でした。しかし、外国為替市場には、民間以外の公的な立場の参加者がいます。それが、政府/中央銀行などの公的部門です。中でも、外国為替市場に最も影響を与え、強い印象を与えるものが、市場介入です。
各先進国は「為替レートは市場が決める」という変動相場制が原則です。しかし、中央銀行などの通貨当局が「為替レートの水準や変動スピードに問題あり」と判断した場合、市場への介入を行って為替レートに影響を与えようとします。
特に日本は、輸出立国という立場上、急速な円高進行は産業界に壊滅的な打撃を与える可能性があります。そのため、G7各国の中でも、市場介入を積極的に行う国となっているのです。その介入量・回数は、いずれも突出しています。
こうした市場介入の中で、最も有名で効果的だったのは、1985年の「プラザ合意」でしょう。
80年代初頭から、米政権がインフレ抑制のために金利を引き上げたことに起因し、当時の市場ではドル高が進みます。結果、米との貿易赤字が膨れ上がるという状況を引き起こしました。これを懸念した米・日・英・西独・仏の5ヶ国は、G5(先進5ヶ国蔵相・中央銀行総裁会議)において、協調して為替のドル売り介入の実施に合意します。このG5が開かれたのがニューヨークのプラザホテルだったため、プラザ合意と呼ばれているのです。この発表を受け、混乱する市場においてドル円は、翌日の24時間で約20円の下落を記録。その後も活発な円高基調が続くという事態が進行しました。
プラザ合意以降、公的部門による介入で、効果的ものはありません。しかし、1回の取引金額が大きいだけに影響の強い、中央銀行による市場介入は市場参加者が注目する為替取引となっています。
