FXの取引~経常取引の特徴
為替市場に関わる取引には「経常取引」がありますが、その特徴のひとつは「売り切り・買いきりいずれか一方向の取引である」と言うことでした。2つめの特徴は、ある程度コンスタントな取引が求められる点にあります。
企業によっては、年度末などに一気に為替取引を行う所もありますが、基本的には、生産計画や貿易計画に合わせ、その都度、為替取引を行う所がほとんどです。
企業の視点からすると、例え「1年間待てばドルが下がりそうだ」と予測しても、明日の商品の支払いまでにドルが必要ならば、すぐにドルを買わなくてはなりません。また、来週に海外出張を予定している時に、「来年まで待てば円高になりそうだから、出張は来年にしよう」ということは、普通ありえません。ドル高局面、ドル安局面がある程度明らかな時でも、逆方向の取引がコンスタントに出てくる理由には、上記のように実際の経済活動の裏付があって、その方向に取引を行う必要性があるという経常取引が存在するからだと言えます。
とは言え、日々の取引量にはかなりのメリハリがあることは事実です。その理由が、3つ目の特徴である「社内想定レート」の存在です。
企業は、年間の業績見通しを立てる際に、想定となる外国為替レートを設定します。想定レートより有利になる分には構わないのですが、もし、不利な水準で為替取引を行ってしまうと業績に影響し、下方修正という状況にもなりかねません。そのため、企業の為替担当者は、想定レートをかなり意識した取引を行います。輸出企業の想定レートを上回る水準では売り注文が増加し、下回ると全く出てこないこともありえます。
4つ目の特徴は、季節や時間帯によって取引に差が出やすいことです。
季節的な特徴としては、例えば年度末前後のような時期が挙げられます。収益のブレを回避するために、会計における年度末前の早い段階で、その年度分の会計取引を終わらせてしまうと、会計年度末直前には取引量が減るといったことがあります。
時間帯の特徴としては、「仲値」の存在が挙げられます。大量に為替取引を行う輸出企業などは別ですが、商品の購入などの都度に応じて外貨が必要になる企業の場合、為替取引は一般的に東京の午前10時の仲値を利用して行われます。また、支払いにおいては、5や10のつく「ゴトウ目」や、月末などにまとまって行われることが一般的ですので、こうした日の仲値時間の取引はかなり大きなものと言えます。
