FXのリスク
FXのリスクその1~値動き
多くの魅力的な特徴を持ち、法整備も進んできたFX(外国為替証拠金取引)ですが、取引によって発生する可能性のあるリスクも存在します。取引を始める前にぜひ知っておきたい、主なリスクについて解説します。
FXは、元本や収益が保証された取引ではないことにまず注意が必要です。市場の値動きによって儲かることも損をすることもあります。また、高金利通貨を買って低金利通貨を売ることによって「スワップポイント」と呼ばれる金利差の調整分を受け取ることができますが、このスワップポイントも、金利市場での動きによって増減します。それどころか、金利差が逆転してしまうと、スワップポイントを支払わなければならないこともあります。
このリスクを考える際に、重要になってくるのが「レバレッジとリスクの関係」です。資金を証拠金として預けることで、少ない金額でも大きな取引ができるレバレッジ(てこの原理)は、確かにFXの魅力です。ですが、値動きによる差損益や、スワップポイントの受け払いは取引金額によって決まってくるわけですから、取引が大きくなればなるほど、収益期待に伴ってリスクも高まります。
例えば、証拠金として5万円を預け入れて、1ドル115円で1万ドル分のドル円の買い取引を行ったとします。この場合、5万円に対する取引金額の比率であるレバレッジは23倍です(5万円×23=115万円)。ここで、ドル円が1円下がって1ドル114円になったとします。この時の評価損は、1円×1万で1万円。市場としては、115円から114円とわずか0.87%が下がっただけですが、この場合レバレッジは23倍ですから、もとの資金(証拠金)である5万円に対しては、率で言えば20%もの評価損が出た計算になります。もし仮に、5円(4.3%)下がったとすると、もとの資金である5万円は全てなくなってしまう計算になります。
実際の取引では、業者が設定した最低ライン(例えば1万ドル当たり2万円)を割り込むと、強制的に決済されるようになっている場合がほとんどです。このように自動的に損失が確定しますので、3円以上下がった場合、取引が維持できないようになっています。もちろん、逆に儲かる時は、5円上がると元の資金が倍になるわけですから、ハイリスク・ハイリターンな取引であることは知っておくべきです。
FXのリスクその2~流動性、システム、信用
多くの魅力的な特徴を持ち、法整備も進んできたFX(外国為替証拠金取引)ですが、取引によって発生する可能性のあるリスクも存在します。取引を始める前にぜひ知っておきたい、主なリスクについて解説します。
世論を動かすような重大な事件などが発生して、外国為替市場全体の取引量が減り、取引ができなくなるのが流動性リスクと言えます。外国為替市場は1日200兆円以上の取引がある世界最大の市場で、ストップ安・ストップ高というものがありません。そのため、株式市場などと比べて流動性リスクは低いのですが、大きなニュースが出た直後などは値動きが荒くなり、望む水準でうまく取引できないという可能性がありますから、これもリスクとして把握べきだと思われます。
次に、FXは24時間どこででも取引可能というメリットを持ちますが、インターネット回線を通じて自分の所有するPCから取引を行う場合がほとんどです。そのため、PCやネット回線のトラブル、取引業者のサーバートラブルなどにより取引できないというシステム上のリスクもあります。また、自分の発注操作は、自分以外誰も確認してくれませんので、誤発注のリスクは常につきまといます。
最後は、取引業者の財務状況の悪化や業務停止、倒産などによって取引ができなくなる信用におけるリスクです。FXは1998年に誕生しましたが、当時から財務上脆弱な業者が多く含まれていたようです。それが、2005年7月の改正金融先物取引法の施行によって、5000万円の最低資本金や自己資本規制比率などが定められ、財務が脆弱な業者は現在の取引市場において排除されるようになりました。ですが、銀行などに比べると、まだまだ財務上の基盤が弱いため、倒産に関するリスクは常に考慮しておく必要があります。
最近は、利用者から預かった証拠金を信託銀行に預託し、会社の資金とは完全に分離した管理を行うことで、倒産時の顧客資金の保全を図るシステムを採用する業者も増加しています。こうした顧客保護の仕組みが一般化すれば、利用者のリスクは軽減できることでしょう。
