ドル円の理由
ドル円の理由~その1
FXの取引において、初心者・経験者問わず、スタンダードとして考えられるのが「ドル円」の通貨ペアです。その理由を紹介します(その1)。
理由のひとつには、世界の為替取引が、ドルを中心に行われていることが挙げられます。世界中で行われる為替取引の9割近くが、ドルに関連しています。
アメリカという国は、世界経済において中心的役割を果たしています。そのため、投資に限らず、貿易などに絡んだ「実需」と呼ばれる取引や、世界各国の中央銀行の外貨準備などにおいても、ドルが基本となっているのです。
また、ニュースや要人の発言なども、米国発のものは注目度が最も高く、例えば、アメリカの金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)は、世界中の注目の的になっています。
実際の取引において、ドル以外の通貨同士の取引シェアはあまりに低い状況となっているのが実状です。銀行間の市場は一度に大量の金額の取引が行われることがありますから、ドル以外の通貨同士の取引を行う場合、一旦、ドルを介在させて取引されることが一般的になっているほどです。
例えば、ポンド円を買うといった場合、ポンドと円を直接交換しません。ポンドドルのペアでポンド買いドル売り、ドル円のペアでドル買い円売りという具合に分けて取引を行い、二つを掛け合わせて(ドルは売りと買いで相殺)ポンド円のレートを出すのです。
このような状況を考えると、ポンド円のような、一見ドルが関係しないような取引を行ったとしても、イギリスと日本の二カ国間の動きだけに注意を払うのでは全てを把握することはできません。
アメリカで起こった材料について、ポンドドルやドル円でどのような反応が出てくるのかなどもチェックしなくてはならないのです。そのため、単にドル円を見る時に比べて予想が複雑になりやすく、結果としてドル円の通貨ペアが判断しやすいということに繋がるのです。
ドル円の理由~その2
FXの取引において、初心者・経験者問わず、スタンダードとして考えられるのが「ドル円」の通貨ペアです。その理由を紹介します(その2)。
二つ目の理由は、日本人にとってドルという通貨が最も身近で親しみが深いため、結果、ドル円の通貨ペアが扱いやすいことも言えるからです。
身近だということは、情報が多いとも考えられます。確かにドル以外の通貨も一般的になりましたが、貿易・投資・観光など、日常生活において、一般の人が外国為替取引に関わる場面において、その取引はドル円である場合がほとんどではないでしょうか。ニュースなどの情報においても、ごく普通に現在のレートを流し、日常的に相場観というものが形成されています。
また、ドル円の動きを考える場合に、円の扱いに影響する日本の政治・経済のニュースは重要な意味を持ちます。こうしたニュースは普通は日本語で流れますが、それが英語などの他の言語に訳されて放送されます。つまり、海外の投資家に比べて、日本にいる私たちの方が、円の扱いにおいて有利な状況にあると考えられます。
三つ目の理由は、通貨の流通量において、ドル円の通貨ペアが多くを占めているということです。
日米間の緊密な関係も影響し、様々なシチュエーションにおいて、様々な人・組織などがドル円の取引を必要としています。事実、ドル円は、ユーロドルに次いで世界で2番目の流通量を誇ります。これは、何か突発的な事件があったとしても、動きが過熱しにくいというメリットがあります。
株式市場の場合、大ニュースが入ったとき、取引の出会いがないまま気配値だけが動くということが稀にあります。しかし、世界中で潤沢に取引されている通貨ペア、このドル円のような場合、少々の突発的なアクシデントでは取引ができないという状態にはなりにくくなっています。そういった意味では、安心して取引ができる通貨ペアだと言えるでしょう。
また、ヘッジファンドなどの大口投資家による売り買いの注文があった場合、理屈のつかない値動きをすることがあります。しかし、取引量が多い場合、そういった現象が抑えられます。小さな市場(通貨ペア)に大量の資金を投げかけ、相場の主導権を握る、といった荒っぽい取引は、ほかの取引者にとってリスクでしかありません。取引量が多くなるほど、相場全体を操ろうとすれば、その資金は莫大でリスクや負担も大きくなりますから、そのような状況になることは少ないドル円の通貨ペアは、全ての取引の基本と言えるのです。
