取引業者について

取引業者について~登録業者かどうか

 改正金融先物取引法が2005年7月に施行されるまでは、FXの取引業者は金融庁などへの登録を必要としませんでした。施行前は、規制する法律がなかったこともあり、300以上の業者が乱立している状態だったのです。このため、一部の業者において、詐欺まがいの行為や強引な勧誘などのトラブルが多数見受けられました。また、基本的にハイリスク・ハイリターンであるのにもかかわらず、リスク部分の説明がきちんと行われていないということも多くあったようです。

 このようなトラブルによって、業界全体の信用度が下降したのは事実です。一般の投資家たちには「FXって胡散臭い取引なのでは?」と思われていた時期もあったように思えます。しかし、法律が施行されたことで、こうした悪徳業者や財務上脆弱な業者などは排除され、投資家にとってリターンとリスクを踏まえた、安心できる環境が整いつつあります。

 とは言え、取引業者の選定は非常に重要なポイントです。
 取引業者の選定にあたり、まず、法改正にのっとって金融庁にきちんと登録された業者かをチェックしましょう。金融庁への登録が完了しているのならば、会社のウェブサイトなどで登録番号の情報が得ることができる筈です。業者の例として、FXCMジャパンの場合では「登録番号 関東財務局長(金先)第57号」といった具合です。こうした表記についての確認を行いましょう。

 なお、今回の法改正が急ピッチで進められたこともあり、2005年12月の期限の時点では登録の受理だけで終わり、審査が済んでいないという業者も多数あります。そうした業者については、現在、順次審査が進み、登録が済んできていますが、審査待ち状態でも営業は可能なのです。もっとも、基本的に登録要件がクリアされていなければ、受理自体がされません。ですから、受理がされていることさえ確認できれば、それほど神経質になる必要はないでしょう。登録の受理すらしてもらえない業者、登録自体をする気のない業者は、営業自体ができません。しかし、裏でこっそり営業をしている可能性があります。そうした業者と取引をするのは、後々トラブルのもとです。絶対にやめましょう。



取引業者について~信託分離をしている業者

 取引業者を選定する第一のポイントは、金融庁に登録された業者だというです。しかし、登録されているならどこでもいい、というわけではありません。「手数料」「証拠金額」などの商品内容、「システムの使いやすさ」「情報の豊富さ」などは、業者によって千差万別ですし、投資家に選んでもらうためにあの手この手で差別化が意図的に行われています。最近は、比較サイトなども登場していますので、容易に差を確認することができるようになりました。

 ですが、その中でも注目したいのが「信用リスク」です。最低資本金や自己資本規制比率など、業者としての条件をクリアしたは言え、銀行などと比較すると、財務上脆弱な業者は多く存在します。いわゆるIR情報などがきちんと公開され、財務状況を確認できるかをチェックするようにしましょう。これが、取引業者としての健全性を確保しているかに関わるポイントです。

 また、「信託分離保管」というシステムを採用している業者は、よりリスク回避について対策していることになります。これは、顧客から預かった資金を、信託銀行に分離して保管するシステムです。信託分離保管により、業者内の財務における一般の債権・債務から顧客資金を切り離し、万が一倒産した場合でもその分は顧客に返すことができるのです。
 
 この対策は、コストなどの問題により、全ての業者が採用できるものではありません。よって、このような顧客保護に力を入れているという姿勢は、信頼性が高く、好感が持てるポイントと言えるでしょう。万が一の時の備えという意味でも、これは業者選びの大きな要素になります。



取引業者について~その他の選択のポイント

 取引業者の信頼性を確認できた所で初めて、扱っている商品について比較検討をするようにしましょう。いくら魅力的な商品を扱っていても、取引開始後に倒産したのでは意味がありません。

取引商品においては、
 「取引にはいくら手数料がかかるか?」
 「最低取引金額は?」
 「取引を開始するのに必要な証拠金額は?」
 「出入金などはスムーズに行われるか?」
など、気になる所からチェックしていきましょう。

 商品を比較する上で、手数料は気になる所です。もちろん、安いに越したことはありませんが、それだけで取引業者を決めるのはリスクが伴う可能性があります。為替情報や会社としての安定性など、業者としての付加価値が高ければ、ある程度高い手数料を払う価値はあるかもしれません。もちろん、手数料が安いから情報や安定性が低いというわけでもありませんから、手数料と取引業者の価値は一概に言えるものではないということです。なお、長期的にポジションを維持し、スワップポイントによる利益を得たいのであれば、スワップポイントの水準もチェックが必要です。

 最後に、大きなポイントになるのが「システムの使いやすさ」です。以前、株の世界で大きな誤発注事件がありました。万が一、あなたが間違って注文しても、それは自己責任です。かといって、チェック項目が多すぎても激しい値動きの中で取引する際など不便です。この負担をできるだけ軽くするには、自分にとってなるべくシンプルで、使いやすい取引システムを選びたいものです。業者によっては、ウェブサイト上で仮想取引(デモトレード)の場を提供している場合もありますので、これらを利用してシステムの使い勝手を色々試してみるのもいいでしょう。



取引業者について~口座開設をしよう

 FXのメリットのひとつは、なんといってもパソコンなどで自宅での取引ができることです。そのためには、まずはインターネット上で取引のサービスについて調査したり、デモトレードで取引システムを試したりすることで、取引業者を絞りましょう。

 取引業者が決定したら、いよいよ口座開設の手続きに入ります。

 各会社のウェブサイトの申し込みページには、資料請求や口座開設のフォームが必ずあります。フォーム上の説明に従い、口座開設の手続きを進めていきましょう。

 口座開設前には、約款への同意・確認とリスク確認の同意を求められます。これは、インターネット上で同意する場合、今や当たり前になりました。それだけに、さほど重要でないとも思われがちです。ですが、万が一何かあった場合には全てその約款に同意しているという上で判断されてしまいます。必ず一度は目を通しておきましょう。また、約款は、将来的な変更もにらんで抽象的な文章になっている場合もあります。疑問点があれば問い合わせなどして、あやふやなまま同意するべきではありません。

 FXは、利用方法によってはハイリスク・ハイリターンな投資商品です。それだけにリスクについての確認の項目は特に重要です。取引における値動きのリスクや、取引業者の倒産リスク以外にも、取引システムが止まるといった技術的なリスクなど、色々なリスク項目がありますので、それぞれについて理解した上で同意するようにしましょう。

 約款に対する同意が終わったら、次は口座開設フォームに必要事項を記入します。口座開設フォームについているアンケートは口座審査に関わる重要事項ですので、正しく記入してください。これを送信すると、後は本人確認のために身分証明書のコピーを送ることになります。この審査に通れば、指定銀行口座の通知が送られてきますので、入金を行うことで口座開設の手続きが完了するのです。



取引業者について~取引記録を確認しよう

 口座開設の手続きが完了した後に、いよいよ取引を行います。

 ですが、取引の最初に注意すべき大切なポイントがあります。それは、損益の管理です。
 安定して収益を上げていくためには、取引における損益をきちんと把握・管理するべきです。損失が出た場合は、可能な限り理由を分析し、次回以降の取引に備えていかなくては、目的を達成できません。FXのメリットであるパソコンによる取引ならば、この作業を簡単に行うことができます。

 パソコンによる取引では、あなたの取引記録について、その全てを画面上で確認することが可能です。過去の記録だけでなく、現在持っているポジションの現時点での評価損益や、まだ注文が成立していない注文予約の一覧なども、ひと目で分かるような構成になっている筈です。

 損失が膨らんでしまうと内容を確認するのも嫌になるかもしれません。ですが、なるべくこまめに確認して、その上で損失を管理しなくては、その損失の拡大を防ぐことも、利益を生むこともできません。

 今後の取引において勝率を上げる、すなわち利益獲得の機会を増やしていくには、あなた自身の投資スタイルを検証・確立しなくてはなりません。その為には、過去の取引記録を確認し、これまでの取引における損益の理由をきちんと分析することです。この「損を繰り返さない」という地道な努力こそが、利益の獲得につながっていくことでしょう。