スワップポイント
スワップポイント~魅力について
FXの魅力とリスクにおいてもう1つ、証拠金の他「スワップポイント」についても考えなくてはならないでしょう。スワップポイントとは、「取引を行った際に発生する、二つの通貨間の金利差」を指します。
例えば、ドル円を1ドル115円で10万ドル買い、その買いポジションを翌営業日以降にそのまま持ち越したとします。買った10万ドルに関しては、その分の金利を収入として得ることができます。しかし、10万ドルを買うための売買代金1150万円を取引業者から借りて取引を行っているので、この1150万円に対しては1日分の金利を支払わなくてはなりません。実際の所、買ったドルの金利と、借りている円の金利の差額分についてのやり取りが発生するわけです。これがスワップポイントです。
現在、円の金利が非常に低いのに対し、ドルは4.75%(2006年4月現在)ですので、円を借りてドルを買えば、その差額分をスワップポイントとして毎日受け取ることができます。逆に、ドル円でドルの売りポジションを作った場合、借りてきたドルに対して高めの金利を支払い、買った円に対してはほとんど金利の受け取りがないので、差額分を毎日支払わなくてはなりません。
取引する通貨のペアにおいて、金利が高い通貨を買って金利が安い通貨を売ると、スワップポイント分の受け取りが毎日起こります。逆に、高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、スワップポイント分の支払いが毎日起こるというわけです。
こうしたスワップポイントの受け払いは、短期間の取引ではそれほど意識する必要はありませんが、長期間にわたってポジションを維持する場合には、収益とも言えるほどの大きな意味を持ちます。金利の高いポンドを例に考えてみましょう。ポンド円で1万ポンド買った場合、1日当たり240円をスワップポイントとして受け取ることができます(2006年4月現在、FXCMジャパンの場合)。1年間ポジションを持ち続けた場合、合計すると8万7600円の計算になります。1日では僅か240円ですが、長期になれば、これはちょっと馬鹿にできない金額です。
スワップポイント~外貨預金との差
FXにおけるメリット・リスクを考える上で重要なスワップポイントですが、FXと同様、日本円に比べ高い外貨建ての金利を狙った投資である「外貨預金」とその違いを比較してみましょう。
ドル円やポンド円など、外貨の買いポジションを持った場合のスワップポイントは、外貨預金などに比べて、売った方の円の金利支払いがある分、金利が低くなりそうですが、実際にはそんなことはありません。スワップポイントにおける金利は、銀行間の翌日の金利をもとに、コストなどが加味されて決定します。現在、円はゼロ金利状態が続いており、借りてきた場合でもほとんど金利を支払う必要がないのです。
これに対して、買った方のドルの金利は、銀行が顧客に提供する外貨預金の金利などに比べ、はるかに高い銀行間の金利市場の水準をもとに計算されます。そう考えると、円の分の金利支払いを差し引いても、外貨預金よりもお得な場合が多いのです。
2006年4月現在の数字で、銀行での外貨預金の水準とスワップポイントの差を比較してみましょう。日本の大手銀行A社のドル円1カ月物外貨定期預金の金利は、3.2%です(3万ドル未満の年率)。これに対して、ドル円の1万ドル買いポジションによるスワップポイントは、1日当たり154円の受け取り。年間に直すと5万6210円。1ドル115円で計算して4.9%にもなります。何とその差が4.9-3.2=1.7%もあるのです。銀行の外貨預金の金利が低すぎるということもあるのですが、これだけ見てもスワップポイントの優位性がわかるのではないでしょうか。
スワップポイント~注意するポイント
スワップポイントを取引において活用しようと考えた場合、注意する点が二つあります。
まず、スワップポイントはあくまで通貨間の金利差によって生じるということです。どちらかの金利水準が変化すれば、スワップポイントも変わってきます。現在はほとんど金利のつかない円でも、1990年代前半のようにドルより金利が高い時代もありました。仮に今、そうなった場合、スワップポイントはドル円を買った場合に支払いになり、ドル円を売った場合に受け取りになります。長期的にスワップポイントによる収益を期待して取引を行った場合、金利水準の変化によって、取引開始当時に期待していた通りの収益が得られないというリスクは常に存在しています。
次に、レバレッジの問題です。スワップポイントは、もともとの投資金額(証拠金)に関係なく、実際の取引金額に対して計算されます。例えば、5万円預けて1万ドルのドル円の買いポジションを持ち、1年間維持したとします。その時に受け取るスワップポイントは、金利水準が4月から変わらなかったとした場合、5万6210円になります。スワップポイントだけの利益によって、資金が1年で2倍以上になる計算です。しかし、こうした取引は非常に大きなリスクを伴うことに注意して下さい。
5万円で1万ドルのポジションを持った場合、強制的にポジションが閉じられるまでの余裕は、僅か3円しかありません。ドル円では、年間20円近い値幅がありますから、3円の余裕で1年間ポジションを持ち続けることができる可能性は、残念ながら低いでしょう。
評価損が膨らんできたら、資金を追加すればいいという考え方もあります。これも、どこまで相場が進むのかの予想がつきませんから、資金の追加をする行為自体にもリスクが伴います。例えば、1995年には1ドルが80円割れまでドル安が進みました。果たしてそこまで資金を追加する余裕があるのかという問題になります。また、再び80円までドル安が進んだとして、そこで止まる保証はどこにもありません。
基本的に、値動きのリスクの方が、スワップポイントによる収益を上回ります。長期的にスワップポイントを狙いにいく場合は、レバレッジ(取引の比率)を低めに設定し、資金的に余裕を持った取引をすることが大切です。さらに、かなり長期で持つことで、スワップポイントによる収益が積み上がって損をするリスクは低くなっていきますが、そのリスクはゼロにはならないことも意識しておくべきでしょう。
